看護師が転職を考える主なきっかけを、みなさんはご存知でしょうか。
看護師の転職理由を客観的に判断する材料として考えられるのは、2010年8月から2011年1月にかけて厚生労働省によって行われた「看護職員就業状況等実態調査」でしょう。
現役だけでなく、看護師、保健師、助産師、准看護師資格を有している全国の4万人弱の人を対象にした大規模な調査です。
回答があったのはそのうちの約半数にあたる2万人弱ですが、看護師資格を持っている人が95%にあたるため、看護師の転職理由を知る指標としては優れています。
その結果によると、看護師が転職する理由の最も多いものは出産・育児(22.1%)や結婚(17.7%)といったライフイベントによるものでした。
それに続くのが、他施設への興味(15.1%)、人間関係がよくない(12.8%)、超過勤務が多い(10.5%)となっています。
一般的に看護師の転職理由として多く挙げられる給与に不満がある(8.0%)は全体の11位であり、給与面の不満だけで転職を実際に行う人は意外と少ないことが伺えます。
この調査結果から看護師が転職を考える理由としては、ライフイベントによるものが最も多く、次いで職場環境、給与、スキルアップと続くといえるでしょう。
10年以上前の実態調査にはなりますが、この結果は今でもそう変化はないものだと私は考えています。
早く結婚したいと考える看護師がいる一方で、今の働き方を変えたくない看護師にとって結婚や出産は、ややリスクに感じてしまうのかもしれませんね。